お酒の用語集 さ行

酒米(さかまい)

日本酒の原料に向いている米の品種の全般をさす。酒造好適米(しゅぞうこうてきまい)とも言う。

酒粕(さけかす)

醪を搾って出来た固形物(滓・粕)。搾る方法によって、板状の板粕やバラ粕、加工や発酵させた踏み粕など種類がある。アミノ酸など栄養も豊富で、お酒のおつまみや漬物や料理などにも使われる。

酒は百薬の長(さけはひゃくやくのちょう)

酒呑み定番の言い訳。紀元80年頃、中国歴史書「漢書」の「食貨志下」王芥の言葉が元。対語は「酒は百毒の長」。何事も過ぎれば毒である。…飲みすぎ注意

三段仕込み(さんだんじこみ)

日本酒造りの工程である醪造りの方法の一つ。水、蒸米、麹など材料を4日間で3回に分けて入れていく手法。

酸度(さんど)

コハク酸、リンゴ酸、クエン酸など、日本酒に含まれる酸の量。数値が高いほど酸味が強く辛口な傾向があります。

四季醸造(しきじょうぞう)

四季造りとも言う。日本酒造りのひとつ。冬の寒さでの寒造りに対して、エアコンや冷蔵庫など環境を整えて一年中冬の環境で作れる醸造方法。江戸時代に禁止された四季造りではない。

仕込み水(しこみみず)

穀物系を原材料とするお酒造りで使用される水の事。日本酒では、「灘の男酒、伏見の女酒」と水の性質(違い)で味に影響が有ると知られていた。

雫酒(しずくさけ)

日本酒の搾り方、または搾った日本酒の事。醪を袋に入れ、加圧をせず吊るした自重で落ちてきたお酒だけを集めたモノ。袋吊り、雫取りなどともよばれる。手間がかかるが高品質で、品評会などにも出品される事が多い。

地ビール(じびーる)

1994年の酒税法改正で製造量が緩和されて4大メーカー以外の小規模醸造所で造られたビール。観光地の土産などの定番となるが、小売価格が高額なことが多く下火になる。クラフトビールとの明確な区別はないが、クラフトビールの方が高品質と説明されることが多い。

搾り(しぼり)

日本酒造りの工程のひとつで、発酵が終わった醪を液体と固体に分ける工程。上槽(じょうそう)とも言う。槽(ふね)搾り、袋吊り、自動圧搾機が代表的だが、遠心分離機を使うなど新たな方法も登場している。

ジャパニーズ・ウイスキー(じゃぱにーずういすきー)

日本産のウイスキー全般を指す。スタートは20世紀に入ってからと歴史は浅いが、スコッチウイスキーに学び、モルトウイスキーとグレーンウイスキー、ブレンデッドウイスキーに分類され、近年その技術力を認められいる。

シャンパン(しゃんぱん)

シャンパンやシャンパーニュとも言われるフランスのシャンパーニュ地方特産のスパークリングワイン。定められた製法で造られたものでなければ『シャンパン』を名乗る事は出来ない。

熟酒(じゅくしゅ)

香りと味による日本酒の四つの分類のひとつ。香りが高く、味わいも濃くて複雑なタイプの日本酒。干した果物やナツメグ、シナモンなどのスパイシーな香りやキノコや蜂蜜、チョコレートなどの複雑な味など多種多様な風味が特徴。長期熟成酒が代表格。

熟成酒(じゅくせいしゅ)

古酒の事。一年以上貯蔵・熟成された清酒には、貯蔵年数を表示することができる。酒造メーカーによっては、1年以上熟成した酒に古酒・古々酒・大古酒・熟成酒・秘蔵酒などの名称を冠して販売することがあるが、年数と用語に関する統一された基準はない。

酒税法(しゅぜいほう)

お酒に対する税の課税や徴収及びお酒の製造及び販売業免許等を定めた法律の通称。

酒造好適米(しゅぞうこうてきまい)

日本酒の原料として適しているとされるお米。酒米ともいう。中心の白い部分の心拍が大きく割れにくいお米が良いとされる。代表的な酒造好適米は、山田錦や五百万石、美山錦、雄町など

酒造年度(しゅぞうねんど)

日本酒が主に寒造り(冬)で忙しい事を考慮した結果、7月1日~ 翌年6月30日を1年とするお酒の年度。BYとも略される。例 29BY=平成29年7月1日〜平成30年6月30日に製造されたお酒。

酒母(しゅぼ)

日本酒造りでは一度に材料をアルコール発酵させず、少量でアルコール発酵に必要な酵母を増殖させる。これを酒の大元として「酒母(しゅぼ)」と言う。

醇酒(じゅんしゅ)

香りと味による日本酒の四つの分類のひとつ。味が濃いが、香りは控えめなタイプの日本酒。お米の旨味を感じさせる伝統的な日本酒の原点。純米酒、生酛造り、山廃造りなど伝統的な造りの日本酒が代表格。

純粋冷(じゅんすいれい)

ビールの原材料などを規定した1516年バイエルン公国で交付された世界最古の食品条例。「ビールの原料は大麦とホップと水のみ」とし、ビール品質向上とパンの原料になる小麦やライ麦を確保する側面もある。その後「酵母」が加えられる。現在では、法律としての効力は無くなっているが、ドイツでは伝統として守っているメーカーは多い。

純米酒(じゅんまいしゅ)

醸造アルコールを添加せずお米と麹のみを原材料としている日本酒。日本酒の分類のひとつ。精米歩合や製法などで、純米大吟醸酒、純米吟醸酒、特別純米酒などがある。

紹興酒(しょうこうしゅ)

蒸したもち米と小麦こうじ、酒薬を原料とする中国の代表的な醸造酒の総称。長期熟成させると「老酒(ラオチュウ」と呼ばれる。

上槽(じょうそう)

日本酒造りの工程のひとつ。搾りともいう。醪を液体(原酒)と固形物(酒粕)に分ける事。

醸造(じょうぞう)

微生物の作用によって起こる発酵の一種。液体、またはそれに近い物が発酵する場合を指す。日本では、お酒、味噌、醤油などが代表。

醸造酒(じょうぞうしゅ)

米などの穀物やブドウなどの果実を原料とし微生物によって発酵されたお酒。日本酒やビール、ワインが代表的なお酒。

焼酎(しょうちゅう)

麹を使った蒸留酒の事。酒税法上の区分で、甲種と乙種がある。

上面発酵(じょうめんはっこう)

エールビールの醸造方法。常温で短期間に醸造できる。最終的に酵母がビールの上側に浮かんでくることからこう呼ばれる。

蒸留(じょうりゅう)

液体、溶液の揮発成分を分離る方法の一つ。液体を加熱し、発生した蒸気を冷まして液体として回収する。

蒸留酒(じょうりゅうしゅ)

醸造酒をさらに蒸留したお酒。蒸留を通じアルコール度数を高めている。スピリットなどとも呼ばれる。焼酎、ウイスキー、ウォッカ、ラムなどが代表。

食後酒(しょくごしゅ)

ウイスキーやブランデーなど、香りとアルコール度数が高いお酒が代表的な、食事後に呑むお酒の総称。甘いお酒、カクテル、貴腐ワインなどデザートの側面もあるかも…

食前酒(しょくぜんしゅ)

シャンパンなど、食事の前に飲む酒のこと。食欲増進を目的としているため、低アルコール、炭酸系、甘すぎないなど食事の妨げにならないお酒が選ばれる事が多い。

食中酒(しょくちゅうしゅ)

ワインなどが代表的な食事と一緒に呑むお酒の総称。西洋的な酒の分類(食前酒、食中酒、食後酒)だが、近年日本酒や焼酎などでも用いられる。

白麹(しろこうじ)

沖縄の泡盛などで使用される黒麹の突然変異種。九州地方の焼酎、日本酒に使用されることが多い。一般的に味わいはマイルドで穏やかな味わいに仕上げる。

白ワイン(しろわいん)

主に白ブドウの皮と種を取り除いた果汁だけを原料とするワイン。色素の元となる皮と渋みの元となる種を取り除くため透明で渋みのないすっきりとした味わいが多く甘口から辛口まで味わいの幅がある。反面タンニンやポルフェノールが赤ワインに比べ少ない為、長期熟成するタイプは少ない。

シングルカスク・ウイスキー(しんぐるかすくういすきー)

一つの蒸留所の一つの樽(カスク)から汲み出したウイスキー。混ぜ物でないウイスキー。

シングルグレーン・ウイスキー(しんぐるぐれーんういすきー)

 グレーンウイスキーの一種。同一の蒸留所でブレンドされたグレーウイスキー。

シングルモルト・ウイスキー(しんぐるもるとういすきー)

モルトウイスキーの一種。同一の蒸留所でブレンドされたモルトウイスキー。

新酒(しんしゅ)

字のごとく、新しいお酒。日本酒では 本来、造酒年度中に造られたお酒全ての事を指しますが、新米で造られた11月から2月のお酒の特に生酒に対して使われる事が多い。

心白(しんぱく)

米の中心にある白い部分。外側の部分は日本酒になるとき雑味となるとされ、心白が大きい事と割れにくい事が酒造好適米の条件とされている。

スコッチ・ウイスキー(すこっちういすきー)

法律に基づき造られたイギリス、スコットランド産のウイスキー。スコットランドは世界のウイスキー全消費量の半数以上を占める一大産地。アイラ・スペイサイド・ハイランド・アイランズ・キャンベルタウン・ローランドの6つの生産地区がる。

スパークリング(ぐぱーくりんぐ)

炭酸入りを意味する。お酒では、スパークリングワインやスパークリング清酒(日本酒)などがある。

製麴(せいぎく)

麹を使う日本酒造りや焼酎造りで、麹を増やす(造る)工程。

清酒(せいしゅ)

お米と麹と水を原料にし濾したお酒の総称。アルコール度数22度以下 の醸造酒。日本国内で造られた場合は日本酒と同意語。海外で造られた清酒と国内原料、国内生産の清酒とは区別する為に使われる場合もある。

製麦(せいばく)

モルティングとも言う。ウイスキー造りの工程のひとつ。大麦を発芽させ、モルト(大麦麦芽)にする作業の事。穀物のデンプンを糖化させるために必要な酵素をモルトから取り込む。

精米(せいまい)

玄米を糠を取り除き食用に適した状態にする事。また日本酒造りの工程の一つ。玄米を目指す精米歩合まで磨ぐ作業。

精米歩合(せいまいぶあい)

日本酒造りで、原材料のお米をどれだけ精米するかの比率、またはその指標。玄米を100%として、どれだけ残っているかの比率。酒税法では、その比率によって、普通酒、吟醸酒(60%以下)、大吟醸酒(50%以下)などに分類される。

洗米(せんまい)

日本酒造りの工程の一つ。精米したあとのお米を洗う。お米の水分がお酒の品質に影響を与える為にとても繊細な作業。

爽酒(そうしゅ)

香りと味による日本酒の四つの分類のひとつ。香りは控えめで、味がシャープなタイプの日本酒。レモンやライムなどフレッシュ感が有る日本酒。生酒、本醸造酒、吟醸酒などが代表格。

速醸酛造り (そくじょうもとつくり)

日本酒造りで乳酸を人工的にあらかじめ加える製法。明治43年(1910年)に考案された。所要期間は約2週間。現在造られている日本酒の多くは、速醸系である。

ソムリエ(そむりえ)

レストランなどでワインや料理に関してお客さんにサービスするワインのプロ。フランスでは国家資格で、日本では日本ソムリエ協会が試験で認定している。